「20世紀美術の巨匠たち」激動の時代をそのまま描いた20世紀美術

· アート

大阪市内にある中之島香雪美術館で1月18日(土)から始まった特別展「大原美術館所蔵20世紀美術の巨匠たち♡ウォーホル、ロスコ、リキテンスタイン」では、20世紀に誕生した名作39点が一堂に会しています。

人気のアンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」やパウル・クレー、ジャクソン・ポロックなどの作品が堪能できます。

20世紀美術とは?

20世紀美術は1901〜2000年に生まれた作品、つまりたった100年と少し前ほどに発表された作品というのはアート初心者でも理解できます。しかし結局、”20世紀美術”とはどんな作品や作風を指すのでしょうか?

20世紀は「難民の時代」とも言われ、国内の紛争や世界大戦の影響で、国外へ移住を余儀なくされた戦争激化の時代です。アーティストたちも例に漏れず、多くがアメリカへ渡りました。そんな彼らが表現の幅を広げて、抽象表現主義やポップアート、ミニマルアートなどを生み出した変革の時代でもありました。

さらに大量消費・大量生産の資本主義社会を背景に人々の暮らしや風潮が変わり、さまざまな表現方法の作品が誕生。つまり、20世紀美術とは世界戦争・産業革命・資本主義によって入り乱れた近代の社会問題を取り上げた作品たちなのです。

ジャクソン・ポロックの「ブルーー白鯨」はクジラに見えない?

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抽象表現の代表、ジャクソン・ポロックの「ブルーー白鯨」を見てみましょう。

この作品を目にした筆者は「くじら…?」と疑問に思いました。私には『海底を這いつくばって生きる動物たち』に見えたのです。生き物たちが懸命に生き永らえようとしている必死さが見えた気がしました


しかし、抽象表現主義の代表であるポロックは小説「白鯨」をテーマに描いたとされています。筆者はなんだ小説か!と思ったものです。キャプションを読んだり、ネットで調べたりしてから改めて作品を見ると、ふーん、そう感じなくもないな、なんて偉そうに思うのでした

穴場!中之島香雪美術館

ビジネス街のど真ん中に位置する「中之島香雪美術館」は神戸にある本館に次ぐ2館目として2018年3月21日にオープンしました。朝日新聞社の創業者である村山龍平(1850〜1933年)が収集した日本と東アジアの古い時代の美術品を所蔵しています。

香雪美術館はじつは穴場の美術館。徒歩圏内には大阪中之島美術館や国立国際美術館もあり、多くの人で賑わう都心エリアですが、大型の美術館とちがい、コンパクトな造りで平日は人混みも少なく、ゆっくりじっくり作品を鑑賞できます。

春は「20世紀美術の巨匠たち」に注目

本展は一部作品を除き、写真・動画撮影は禁止なのでご注意を。ぜひ展示室で作品一つひとつを目に焼き付けてきていただきたいです。

「20世紀美術の巨匠たち」は 4月6日(日)まで開催。春はアートに触れてみてはいかがでしょうか


中之島香雪美術

〒530-0005

大阪府大阪市北区中之島3-2-4

中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階

TEL:06-6210-3766 FAX:06-6210-4190



ライター:いしかな

広告代理店で6年間営業マンとして勤務したのち、1年間日本全国の美術館をめぐるひとり旅へ。現在は美術館で看視員をしながらフリーランスライターとして活動中。国内の美術館を全制覇するのが夢