「死ぬ前に一度は見てみたいんだよね。」
という景色は皆さんにはありますでしょうか。私は『エジプトの砂漠』です。
暑く乾いた風が吹き抜け、どこまでも続く砂の景色。道に迷えば命はない過酷な状況なのに、どこか魅力を感じてしまうのです…。
しかし、海外旅行はなんとなく怖い。エジプトって何語だろう?知らない土地でトラブルに巻き込まれたらどうしよう?もし砂漠で迷子になったら、「死ぬ前に見たかった景色」が文字通り「死ぬ直前に見る景色」になりかねません。これは笑えない。
でも一面の砂世界は見てみたい。何か良い方法はないだろうか…あっ!
安心安全の日本。その国内に、有名な砂丘「鳥取砂丘」があります。鳥取駅からバスで20分とアクセスも良好。私は迷わず鳥取県に向かいました。
どこまでも続く、茶色の砂景色。人工物がなにもなく、空の広さを改めて実感できます。「砂漠の模範的な写真を撮ることができた!」と高揚する私ですが、実は鳥取砂丘は『砂丘』であり『砂漠』ではありません。
”砂丘は風で運ばれた砂が作る高まり(丘)のことです。砂漠とは年間降雨量が250mm以下、あるいは降雨量より蒸発量のほうが多い地域で、砂や礫、岩石の多い土地のことをいいます。”(鳥取砂丘公式HPより引用。)
つまり、鳥取砂丘の大量の砂はどこかから風に乗ってやってきたということです。当然しっかり雨も降る地域なので、『砂漠』の定義には当てはまりません。
加えて、ここではパラグライダーやサンドボード(スノーボードに似たスポーツ)などのアクティビティを楽しむことができます。私が特に気になっていたのは「らくだライド体験」。本物のらくだに乗って、砂丘を散歩できるのです!
動物園でもなかなか見ることができないらくだ。そんならくだに乗って憧れの砂世界を散歩できる日が来るとは思いもしませんでした。さぁ、乗り場はどこだろう。必死に探していると…
ありました!ここで体験できるのですね!
しかし、看板をよく見ると「ただ今悪天候のため休業中です。」とのこと。
らくだは繊細な生き物のようで、その日の天候やらくだ自身のコンディションによって体験できないことがあるようです。非常にくやしい…!
らくだに乗ることはできませんでしたが、夢だった”砂漠っぽい景色”を存分に楽しむことができました。青空のもとで茶色の砂がどこまでも広がる光景は忘れられない絶景です。海外旅行はハードルが高いけど、海外旅行のような景色を見てみたい…という方にとってもおすすめの観光地でした。
「死ぬ前に一度は『エジプトの砂漠』を見てみたい」という気持ちを少しは満たすことができた代わりに、「死ぬ前に一度は鳥取砂丘でらくだに乗りたい」という新たな夢ができました。人生まだまだこれからです。
ライター:あぐ