バスキアにとって、ジョルジュ・アルマーニのスーツは象徴を示すもので、売れてからはそれをよく身につけていた。つまり、彼にとってアルマーニのスーツは、アルマーニというただの見せびらかすためのハイブランドではなく、唯一無二のそれであった。
「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」の表紙を飾った(1985年) 引用:https://therakejapan.com/issue_contents/the-passhion-of-st-jean/3/
絵を描く時もそれを身につけていたというから驚きだ。
ゆえにスーツはいくつかは絵の具やペンキ、スプレーがついてだめになったようだ。
それでもなお、そのスーツを身につけた。
これを自己表現とも取れるし、自分の一部の何かとも読み取れる。
亡くなる1年前の1987年、NYのギャラリーで自身の作品を背景に撮影されたジャン=ミシェル・バスキア。Photo: Photoshot/Aflo 引用:https://artnewsjapan.com/article/1794
時に<もの>でさえも、<今ーここ>を有する時がある。
これは喜ばしいことか不幸かわからない。
ただし、作家や職人にはこの上ない喜びを与えるだろう。
そういう畏敬の念を抱ける作品や製品をこのウェブマガジンでは取り上げていきたいと思う。
ジョルジオ アルマーニの「メイド トゥ メジャー」のスーツ。ごく薄い肩パッドの2ボタン、フラップなしのポケット、いかにもアルマーニらしいモデルではないか。スーツ(MTMオーダー価格)¥418,000~、シャツ(MTMオーダー価格¥103,400~(MTMオーダー価格)、ネクタイ ¥47,300~(MTMオーダー価格)/すべてジョルジオ アルマーニ 引用:https://www.pen-online.jp/article/011406.html