日本に住む最も恐ろしい陸上生物とはなんでしょうか。私は「ヒグマ」だと思います。
最近はクマ出没のニュースが取り上げられることも多く、関心がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は旅行をきっかけに、クマについて興味を持つようになりました。
旅行が好きな私は、北海道の一人旅を計画しました。4泊5日の日程を確保できたので、いろいろな場所に行けそうだ!と期待が高まります。しかしぼんやりと、不安を感じていました。
「北海道にはクマが出る」
クマの中でも大型で強靭な肉体を持つ「ヒグマ」は北海道にのみ生息しています。車の運転ができない私は徒歩移動せざるを得ない場所もあり、遭遇したらひとたまりもありません。
そこでまずはクマについて知ろうと、その生態や過去の事故について調べることにしました。
ヒグマは特に強靭な肉体を持ち、猟銃の銃弾すら跳ね返すこともあること。非常に頭が良いこと。目は悪いが鼻が良く、数キロメートル離れた場所から臭いを嗅ぎ分けられること。時速40キロメートルで走り続けられること。獲物への執着が強く、一度「エサ」と認識したものはどこまでも追ってくること。
調べれば調べるほど恐ろしくなりました。北海道旅行は中止しようかと悩むほど怯えました。
しかしその一方で、そんなヒグマを一度は生で見てみたい…とも思い始めました。もちろん危険を犯すつもりは毛頭ありません。安全な方法で、そんな恐ろしい生物を見てみたい…。
「怖いもの見たさ」の究極系だと思います。
そんな私の欲望を満たしてくれる施設が、北海道にはありました。

「のぼりべつクマ牧場」です。ここには数十頭のヒグマたちが飼育されており、エサやり体験も可能とのこと。

さっそく雄のヒグマを見に行きました。とても大きい!体長は約2メートル、体重は150〜400kgにもなるんだとか。
こんな生物と遭遇したらひとたまりもありませんね。山に生息しているとはいえ、エサを求めて市街地にやってくることもしばしばあるようです…。北海道に住んでいる皆様、くれぐれもご注意ください。
大きくて迫力はあるけれど、事前に調べたような凶暴さというか、威圧感はありません。やはり植物由来の食事で飼育されているので、野性味に欠けているようです。
「遠くから見ている分には可愛らしいじゃないか。」
ぬいぐるみのモデルにもされるくらいには愛嬌もあるし、「最恐の陸上生物」はさすがに言い過ぎたか…と考えを改めて私もエサやり体験をすることにしました。
ヒグマにわかるようにエサを掲げると…

かわいい!!
手を振ったり、「おねがい♡」とポーズをしたりして我々にアピールしてくるではありませんか!!なんて愛らしい生物なのでしょう。
待たせるのもクマさんに悪いので、さっそくエサを投げ入れました。

うおぉ…前言撤回。
口を開けた瞬間に理解しました。やはり間違いなく最恐の生物です。爪もよく見ると鋭利な形でギラついています。かわいいなんて言ってられません。
飼育員さんによると、エサを掲げた人間に対して手を振ったりおねだりポーズをするのはクマに教えていないとのこと。
つまり、クマ自身が「こうやったら人間はエサを投げる」と学習しているのです。
ヒグマはとても頭が良く、強靭な肉体を持つことを実感しました。この北海道旅行では野生のヒグマに遭遇することなく、無事に帰ってくることができて本当に良かった。
これからもクマによる事故等が発生しないことを切に願っております。
ライター:あぐ